父を語る

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息子がこっそり蔵書を持ち出しては古本屋で換金しているのを知りつつ、その都度黙って買い戻し、息子自身が気づくのを待った父。現地除隊の機会があり、戦争が終わったら中国の復興に尽くしたいと手紙を書くと、望むならそれもよい、ただ「汝が残らんというその国は、三千年の文化と歴史を持つ誇り高い国であることを肝に銘じて、その国の人に接せよ」と返事をよこした父。他にも教育の原点を考えさせてくれるエピソードが多く、哲学者の鶴見俊輔氏が絶賛された一冊。(2004年刊)
【著者略歴】1914年、北海道小樽市に生まれる。第二次世界大戦の二度の従軍とその後のシベリア抑留を体験し、47年にシベリアより帰国。金融機関に勤務し、60歳で定年後、市民運動などに参加。86年に「戦争出前噺」と銘打って戦争体験を語り続けた。出前先は日本全国47都道府県と中国の南京師範大学におよび、出前回数は2009年12月末に1314回、聞いた人はのべ15万人に達した。2010年5月27日死去。